一般財団法人 本州四国連絡高速道路協会

旅のはじめに

何気なく手に取った一冊。
ページを繰るうちに、その作家が生きたまちと時代を訪ねてみたくなった。
彼はそこで何を感じ、何を伝えたかったのだろう。
瀬戸内には魅力あふれる作家たちが数多くいる。
昭和、大正、明治へと時を巡ってクルマを走らせよう。
懐かしいふるさとの面影に触れながら、新しい感想の1ページが心に刻まれることだろう。

兵庫県

きらめく流れ星のように

久坂葉子と神戸
かつて神戸に「幻の作家」と呼ばれた若き久坂がいた。名家に育ち芸術や文学に多才を魅せた早熟の子女は、時代の流れ星となった。

岡山県

巻き起こった剣豪ブーム

柴田錬三郎と備前
巻き起こった剣豪ブームは、「シバレン」の愛称で一世風靡したその素顔と重なるニヒルなニューヒーローの誕生となった。

ふるさとに愛があふれる

坪田譲治と岡山
子ども時代の思い出を自身の児童文学作品に重ね合わせ映した、ふるさと岡山の情景は、いつまでも父であり母であった。

広島県

さよならだけが人生だ

井伏鱒二と福山
ふるさとのまちには、別れと旅立ちの岐路があった。相次ぐ肉親との別れと祖父の愛情は、作家井伏鱒二誕生の原点となった。

未来に羽ばたいた『赤い鳥』

鈴木三重吉と広島
子どもたちの純粋な心を育みたい気持ちは、童話雑誌創刊という新ジャンルへの挑戦を経て、いつしか児童文学運動のパイオニアとなった。

かなえられた夢物語

横山美智子と尾道
坂とネコのまち尾道を散歩すれば、新聞懸賞小説でデビューし、「嵐の小夜曲」でベストセラー作家となった少女のサクセスストーリーが見えてくる。

香川県

芥川賞、直木賞を創った男

菊池寛と高松
後に小説家、劇作家、実業家、政治家となった菊池の才能は、このまちで目覚めた。生家近くには家族の愛憎を描いた「父帰る」の銅像が立つ。

徳島県

異国のふるさとから

W・モラエスと徳島
眉山山頂から遠い故郷ポルトガルを思いながら、最愛の人たちへの追慕が、永住の地の徳島に刻まれた。

謎多き日本のSFの父

海野十三と徳島
海野はいまだ全貌を見せていない。
斬新な着想の空想科学小説は後輩のSF作家たちに計り知れない影響を与えた。

愛媛県

遍路道と望郷のまちで

早坂暁と伊予北条
あたたかい人間ドラマの原点はここにあった。
"おせったい文化"の下で育ち、被爆した広島の惨状に触れたことが庶民目線の作風となった。

高知県

愛と勇気が育ったまち

やなせたかしと香美・南国
やなせたかしのルーツを求め、少年時代を過ごしたふたつのまちへ行くと、正義のヒーローの生みの親の親は、ライオンだった。

天災は忘れたころに

寺田寅彦と高知
「なぜだろう」。いつも寺田は不思議と向き合い、科学者として自然を恋人とした。
だから、自然は真心を恋人に打ちあけたのだ。

観光冊子は、本州四国連絡高速道路の各SA、PAのインフォメーションで入手できます。

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